(第25回)小林の自然 夏から秋にかけて

小林ウオーキングのコース途中には、専念寺裏手の休耕田が季節により湧水で池となる場所がある。
ここは四季おりおりの姿を見せており、8月中旬から9月の稲刈りが終り、涼しくなるまで毎日のように観察してみた。近くでは余り見かけなくなってきたギンヤンマがこの池の上を飛び交っていた。オス、メスの計3匹が羽休めることなく水面上を忙しくしている。その周りにはシオカラトンボが数多く飛んでいるが、縄張り争いなのか、ときたまギンヤンマが威嚇し追い散らしている。

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ギンヤンマやカワセミも飛んでいました

2年前の8月下旬にはギンヤンマが池の中に半身を沈め産卵してる姿を何度か見た。しかし、数日後には池の水がすっかり枯れてしまい、おそらくは産み落とされた卵は全滅したであろう、昨年はとうとう見かけなかったが、今年は数週間にわたり元気に飛び交っていた。ギンヤンマにとっては格好の生息地なのだろう。チュウサギ、カルガモ、カワセミ、セグロセキレイなどの鳥もいたし、9月に入るとアオサギ2羽に出くわした。

この奥にはトムソーヤの森と呼んでいる場所もあるが、今年はクヌギの樹液にカブトムシ、ノコギリクワガタも9月上旬まで見かけたしコクワガタは9月20日過ぎまでいた。小型のアオダイショウも樹に上りカブトムシに近づいたりしていたが、いくらヘビでもカブトムシは襲えないだろうと思うのだが。

7月には1匹の「ヘイケボタル」も見かけた。しかし毎年見に来ても1匹としか会わない。
2年ほど前の市の調査でも1匹と報告されており、自然環境の何がそうさせているか、不思議な場所でもある。アメリカザリガニが多いため幼虫の時に食べられてしまうか、それとも餌のカワニナが食べられてしまい、ホタルの幼虫が育たないのか原因はわかってはいない。  (下田)