明治34年2月に成田鉄道線として成田~安食間が、さらに4月には安食~我孫子間が開通。当初は木下、安食、成田駅が先行し小林駅は少し遅れて8月10日の開業となった。
109年前のことである。大正9年には鉄道院に買収、いわゆる国有化され、その後日本 国有鉄道、公社の国鉄を経て、現在の株式会社JR東日本と変遷してきている。
小林駅の開業当時は駅前付近の戸数は5軒のみで、駅前を5軒町と呼ぶこともあるという。同様に大森には6軒と呼ぶ地域がある。駅開設予定地を決定するにあたっては、当初の計画は1.5km安食寄りだったが地元との折衝が難航し、頓挫していた。そんななか台方、砂田の有志から、私財をなげうっての運動があり今の台方に駅が建設されたとのことである。
太平洋戦争の末期にあたる昭和19年から20年にかけては米軍機による成田線沿線への攻撃も頻繁になり、終戦直前の20年7月には成田発我孫子行き貨物列車が、小林駅に停車した直後に駅南側の山影から現れたグラマン機の銃撃を受けた。昭和30年頃までは、駅舎にそのときの弾痕が見られたとのことである。
電化が進み昭和44年3月には蒸気機関車のお別れ会が行われ小林小学校鼓笛隊が駅ホームで機関車C57を見送った。現在、小林駅の橋上化を含めた駅前エリアの整備計画が検討されているが、南口側はロータリー化され、タクシー乗り場、進入道路など大きく変貌するようなプランもあるとのことを聞いている。一方、古風な趣のある貴重な駅舎はなんらかの形で残すという案もあるそうで、大いに賛成である。小林地域とその周辺の小高い所には、今もって土器の破片やら、貝塚も多く見られるし、おそらくは旧石器時代の2万年前から縄文・弥生式時代を経て、1,500年前の古墳・飛鳥時代に道作古墳が造られたりした歴史のエリアである。
その意味でも古きよきものが残されることを願っている。
小林の夏祭り 2018年7月
- <特集>小林地域の夏祭り
- <特集>小林近辺の伝統芸能・行事 「獅子舞」、「神楽」巡りをしてきました
- (第1回)“小林牧場“
- (第2回)“小林の自然 蝶 ”
- (第3回)“小林の自然 蝶 ”
- (第4回)“小林の自然 鳥 ”
- (第5回)“小林の自然 鳥 ”
- (第6回)“小林の歴史”
- (第7回)“巴 塚”
- (第8回)“西福寺の不動明王立像・毘沙門天立像“
- (第9回)”道作古墳群”
- (第10回)”小林近辺を飛んでいるトンボ”
- (第11回) ”小林御嶽神社”
- (第12回)”小林地区で早春に見る生きものたち”
- (第13回)”光明寺”
- (第14回)”春から夏にかけての小動物たち”
- (第15回)”小林の小動物たち(10月~2月)”
- (第16回)”小林駅の歴史”
- (第17回)”小林の夏まつり”
- (第18回)”白鳥の飛来”
- (第19回)”鳥見神社の水徐堤普請絵馬”
- (第20回)”小林城について”
- (第21回)今年、優雅に舞うチョウトンボを見ましたか
- (第22回)小林駅よもやま話 第1話 成田線と小林駅の生い立ち
- (第23回)小林駅よもやま話 第2話 駅周辺の賑わいと空襲
- (第24回)山裾に 白ゆり 匂う小林
- (第25回)小林の自然 夏から秋にかけて
- (第26回)旧石器時代から人が住み続けている小林地区
- (第27回)道作古墳群と周辺の古墳・遺跡
- (第28回)小林に多くある「作」という地名の由来
- (第29回)小林で最近見かけた蝶 温暖化の影響で変化が
- (第30回) 小林近辺の歴史
- (第31回)竹取物語 (小林の竹林その1)
- (第32回)竹取物語 (小林の竹林その2)
- (第33回) 竹取物語(小林の竹林 その3)
- 小林まちづくり瓦版 第27号(2019.4.1)