里山を散歩すると田んぼの畦道や花に舞う「蝶」に出会うことが多いかと思います。そこで今回は小林発見シリーズ(下田)
第二弾として身近に見る「里山の蝶」について紹介することとします(全2回の予定)。
■ 世界に蝶はどのくらいいるのでしょうか?
世界には約14,000~17,000種の蝶がいるとされており、中国では2,000種、南米3,000種、北米700種、インドネシア1,500種、アフリカ2,500種などが多く生息する地域です。日本には約240種います。そのうち約6割の150種が長野県で見ることができます。長野県には里山もあるし、3,000m級の山もあり、タカネヒカゲとかクモマツマキチョウなどいわゆる高山蝶に分類される蝶を含め平地から高地に及ぶ幅広い種類がいるわけです。
- 小林近辺にはどんな蝶がいるのでしょうか?
では我々が住む小林周辺にはどんな蝶がいるのかと言いますと、概ね40種類の蝶を見ることができます。40種類というと日本に住む蝶の約1/6にあたり、種類的には比較的多い地域だと思います。アゲハチョウとかモンシロチョウなどは誰もが知っていると思いますが、普段見かけない蝶もここ小林を取り巻く里山にはいます。
羽の表の紫色が鮮やかなムラサキシジミ、羽の裏側が銀色であたかも光を放ちながら飛んでるようなウラギンシジミなどは頻繁に見かけますし、アサギマダラ、メスグロヒョウモン、ゴマダラチョウ、スミナガシ、ルリタテハなどもたまに見かけますが、余程注意を払ってないと気づかないかも知れません。ただ今年の8月中旬には珍しいことにゴマダラチョウが10頭近く、群れをなしエノキの大木(物木地区)の周りを飛び交っていたのが目に付きました。(意外ですが、蝶は馬などと同様に、1頭、2頭と数えます)
今はまだ小林地域には沢山の蝶がいますが、蝶にとっての大敵は造成などによる食草の刈取りです。たまに蝶の幼虫を食草ごと持ち帰ってしまうという不心得なコレクターもいますが、これは恥ずべき行為ではないでしょうか。
蝶は基本的には1種類の食草しか食べないので、その草がその地域になくなれば絶滅してしまいます。
■ 蝶と蛾の見分け方知っていますか?
この質問を良く受けますが、一般的に蝶と蛾の違いは次のとおりです。①蝶は昼間活動し、蛾は夜が主で光に集まる。②蝶は両羽を垂直に合わせて止まるが、蛾は羽を開いて止まる。 ③蝶の胴体は細めだが、蛾は太め。 ④蝶の触角は細い棒状だが、蛾は太く櫛型、刷毛状。⑤幼虫は蝶が青虫や芋虫、蛾は所謂毛虫が多い。⑥羽の色は蝶はカラフルで明るいが、蛾は暗くて地味
などが主な見分け方です。 勿論、タテハチョウ類などの蝶は羽を開いて止まりますし例外は多くあります。ちなみに蛾の種類は蝶に比べ圧倒的に多く、日本には約5,000種がいるそうです。