今年はスズメバチが多いそうです。気を付けてください。

今年は例年になくスズメバチが多いそうです。皆様も刺されないように気を付けてください。 小林地区は、典型的な里山なのでスズメバチに良く出くわす機会もありますので、以下に一般的な予備知識を紹介します。参考にして頂ければと思います。                        (下田)

 

  庭にスズメバチの巣が見つかり、ビックリしました! 

  今年の6月13日、たまたま自宅庭に巣を作った「コガタスズメバチ」の女王蜂が、自ら作った「ひょうたん型の巣」に出入りしているのに遭遇しました。それもエアコンの室外機脇に高く積み上げて置いてあった段ボールにぶら下がるような状態で巣が出来上がっていました。今まで気づかなかったのは、極めて短期間に作ったのだと思います。

そして近くには飛び交う仲間のスズメバチ(働き蜂)がいなかったので、巣を撤去してしまおうと思いました。

  写真のとおりひょうたん型というか徳利型の巣で、自宅の昆虫図鑑をみたら「コガタスズメバチ(コスズメバチ)」のようでした。出来たての巣で、これから夏に掛けてどんどん大きくなっていくみたいです。その意味では早期発見で良かったです。

 今住んでいるところは、「里山」で散歩やらジョギングで毎日のように谷津田地域を利用しているので、オオスズメバチ、キイロスズメバチ、コガタスズメバチなどとは度々出くわしています。目の前を飛んでいても双方とも余り気に掛けずにすれ違うだけでした。しかし、自宅の庭に巣を造られることは見過ごせないので翌日ホームセンタに行き、ハチ駆除用の殺虫剤を買いに走りました。時期は6月だったので働き蜂はまだおらず女王蜂1匹だけで巣作りをしてたようです。女王蜂が夕方巣に戻ったかどうかは怖くて巣の中を確認することはできず、まずは巣の出入り口から殺虫剤を吹き付けました。大量のハチが飛び出してくると思って待ち構えましたが全くその気配はなく静かでした。

段ボールに固定されている巣の根元は予想以上に堅固で鋼製の捕虫網の枠で引っ張っても剝がれなかった。剥がれたとは写真のように巣の外側の殻が壊れてしまい、中にはハチの幼虫が筒状のハチの巣に数多くいました(成虫のハチが飛び出してくることを予想し警戒して相当の防備をしていましたが)。

ひょうたん型の巣内部上側には、普段外で見かける「ハチの巣」があり、その中の穴にはスズメバチの幼虫が相当数(30~50程度か)入っていました。

 

段ボールに引っ付いている巣の根元は予想以上に堅固でした。女王蜂が出入りしていた筒状の出入り口。薄く弱い殻で成り立っている巣。

鋼製の枠で巣の根元を引き外そうとしたが堅固でなかなか取り切れなかったが何とか鋼枠で切り離し、可哀そうではありましたが。右上の写真のように外側の巣(殻)ごと壊して

 

コガタスズメバチの成虫。外見上はオオスズメバチに非常に似ています。ただこの写真のように2本目の黒帯が幅広です

ひょうたん型の巣の奥にいわゆるハチの子の入っている巣の層があります。白い膜で塞がれてます。

 

 個人的には、近所の谷津や山道を散歩やジョギングをしててスズメバチには普段から結構出会っていましたが、そしらぬ態度で通り過ぎてるので今まで襲われたことや刺された経験がなく余り危険視していませんでした。出会っていたのは「オオスズメバチ」、「キイロスズメバチ」、「コガタスズメバチ」などで、こちらから威嚇したりしたら襲われるなとは思っており、あまりに顔を直視することなく黙って素通りして難を逃れていました。ところが最近テレビなどでやたらと「今年は天候の影響もありスズメバチの発生が多く危険、被害が多い」という内容の放映があり、スズメバチの巣の撤去業者への発注が非常に増えていて、その作業模様が紹介されていました。

自分にはスズメバチの生態、活動が全くと言っていいほど知識がなく、良い機会なのでいろいろな資料を調べてみましたので以下に要旨を投稿しますので参考にしてください。

今回は知識不足だったため、補注網で巣ごと撤去してしまいましたが、やはり専門業者に依頼して撤去してもらうべきだったかもしれません。いじれにしても生態等については知っておくべきかとおもいますので以下に紹介します。

  コガタスズメバチの種類、特性、活動など

◆冬眠から覚めたコガタスズメバチの女王蜂は、1匹で巣を春(5月~6月)に作り始めます。今回、庭で出会った(上記写真)のは6月13日だったのでまだ出来上がった直後の巣だったかもしれません。   ◆なお、子供を産むのは女王蜂のみです。

◆その後7月~9月月には働き蜂(メス)が幼虫から育って羽化し数が多くなり成虫になった後には共同で巣作り作業をし、女王蜂は外に出て来なくなり、また産卵に専念します。幼虫のときは「育房」という穴の中で育ち傘(蓋)のように外皮がかぶされてます。

巣の規模は働き蜂が外皮を何層にも重ね合わせて大きくしていき最終的にはボール型にする。皆様もボール型の大きな巣はたまに見たことがあることと思います。キイロスズメバチなどは、高い木によく見かけるはずです。

◆そして秋には次に女王になるハチとオス蜂達が生まれます。このため9月~10の頃は巣を守るため働き蜂(メス)は結構戦闘的になっており、人間が刺される時期でもあるようです。巣を守るために近づく敵を攻めるという戦術です。なお働き蜂は「メス」です。新女王を守るのは本能なのでしょう。 

 働き蜂のメスは、女王蜂の子育てのサポート、巣の清掃、蜜等の餌とり、ロイヤルゼリーの生成、外敵からの巣の守りを担務してます。一方、雄(オス)は女王蜂との交尾を主な分担としており針はもっておらず、役目を終えた雄蜂はそのまま死んでしまうようです。交配を終えた新女王蜂は冬になると冬眠に入り、翌年の春に巣作りを始め出産の準備に入ります。

◆成長し巣立った女王蜂と雄蜂は、翌年に向けて別の巣の個体と出会い、そして交配に向かいます。育った巣には戻らなく巣も1年で廃墟となります。(昆虫などは1匹1匹を「個体」と呼びます)

コガタスズメバチは1年限りで廃墟となりますが、テレビで紹介されている超大型の巣(天井裏や、地下の樹の根っこに作られるような大きな巣は1年限りではないかもしれませんが)

◆スズメバチは雌(メス)を中心とした女系家族。(女王蜂、働き蜂)

     スズメバチの種類

良く見かけるスズメバチで、気をつけたい蜂を紹介します。

 ●オオスズメバチ 4045mm、働き蜂2735mm

  秋にはミツバチの巣箱を襲ったりもする。攻撃性が高いので絶対に近寄らないようにしてください。相当な大きさにビックリしますので勿論近寄ることはしないと思いますが。

先日テレビで見ましたが、クヌギの樹に樹液(蜜)を吸っていた数匹のかぶとむしをオオスズメバチが10匹くらい集まり、樹液を奪うためかぶとむしを襲い、かぶとむしの脚を突っついたり、噛んだりして最後にはかぶとむしが樹の幹から落下して、樹液はオオスズメバチが独占してました。

 クヌギの樹は樹液が豊富なので、山梨の北杜市の山に行くとスズメバチ、かぶとむし、蝶のオオムラサキなどが樹液に群がってるところにできわしました。そんなときは昆虫採集と云ってもスズメバチが居る限りなかなか手が出せない目にあいました。

 ●キイロスズメバチ2028mm 

  巣がスズメバチでは最大。近所の山の樹木に大きな巣をたま見かける。攻撃性高い。

 ●コガタスズメバチ:22~28mm                           

  オオスズメバチやキイロスズメバチと比べるとおとなしいが、巣を 刺激したり    

  すると相当攻撃的になる。都市部に急増してるため我々の目に触れることが           

  多くなっており、庭木など身近なところに巣作りするので注意を要する。スズメバチ 

  のなかでは被害(刺傷)件数が圧倒的に多く、数のうえではオオスズメバチやキイロ

  スズメバチの被害の比ではないようです。特に自宅周辺での被害が多いようです。

    

    スズメバチの天敵

オオカマキリ、オニヤンマ、モズ、ハチクマ(猛禽類でタカの一種、小林でも良く見 かけるサシバ同様に秋になると東南アジアに渡り、春になるとまた日本に戻ってる渡り鳥で、この辺では北関東方面にいる)

この辺りには居ませんが熊が「大天敵」で巣ごと食べてしまうそうです。そのせいもあるのでしょうか、先天的に「黒系」の衣類を着ていたりするとスズメバチが襲いやすいそうです。

   スズメバチの攻撃に注意するには?

  ・服、帽子などは黒系を避け、 白系、黄系、淡系の衣類を身に

    着けるけるのが無難。

  ・香水、オーデコロンなどにはスズメバチは敏感で人を襲いやすい